[記事公開日]2016/06/20
[最終更新日]2020/01/29
「差し歯って、費用が高くなっちゃうんでしょ?」
セラミックの前歯治療を希望する当院へのお問い合わせに、必ずと言ってよいほど挙がる声です。
確かに、セラミック等を用いた自由診療にすると、保険診療の数倍の治療費がかかります。
でも、大切な歯を再び治療しないために、当院では自由診療を推奨しています。
保険治療は、‘標準的な治療’と捉えられがちですが、その意味ではありません。
保険治療で使える材質は制限されています。
単に‘噛める’機能だけならよいのですが、‘美しい’見た目、そして、永く維持してゆく点では難しいです。
保険治療の前歯の差し歯は、硬質レジンという樹脂系の材質を金属の上に貼り合わせた構造です。
もともと金属とレジンは接着しません。特別な処理をして無理に付けています。咬合の圧に対して足りないレジンの強度を金属で補っているのです。
前歯の先端は金属を露出させないようにしているので、補強されていないレジンのみの所が、噛んだ時に欠けたりします。
レジンは給水性のあるプラスチックゆえ、最初はきれいですが、セラミックとは異なり、1年後ぐらいから黄ばみはじめ、5年たつ頃にはトウモロコシみたいに変色し、換えざるをえないケースが多いです。
(歯の表面に付着するタバコのヤニや茶渋なら、研磨すれば白くできますが、染み込んでくる黄ばみは、あまり研磨の効果もないのです。)
「差し歯が欠けた!前歯で、恰好わるくて~」と急患で初めて来院される方のほとんどが、保険治療の差し歯です。
やり替えることになり、自費治療について丁寧に説明すると、「そんなに大きく違うって、知らなかった。何も先生に聞かれないまま治していて…」とよく驚かれます。
明日の審美歯科コラムでも、自費治療をおすすめする理由をお伝えしましょう♪